概要

クラスタとは、単一のシステムとして動作する独立したコンピュータのグループで、クライアントからは単一システムであるかのようにアクセスすることができます。サーバークラスタは、障害の発生時と意図的な機能停止時に、リソースとアプリケーションをクラスタ内の利用できるサーバーに移行します。

 

クライアントは、仮想サーバー名に向かってアクセスします。

仮想サーバー名で要求がくると、現在仮想サーバー名を所有しているノードへ接続が振り分けられます。例えばノード1が仮想サーバー名を所有していれば、ノード1がクライアントの要求に答えます。

ノード1が故障してしまった場合、ハートビートを使って、ノード2に直ちに仮想サーバー名を受け渡します。これにより(多少のタイムラグはありますが)クライアントへのサービスの提供が途切れることなく提供されます。

 

クラスタは 2 台の Windows 2000 Advanced Server を使用します。それぞれのコンピュータをノードといいます。ノード間で共有のデータを保存するために、共有の SCSI ディスクを利用します。

クラスタでは、仮想サーバー名(クラスタ名)でグループ化され、クライアントはこの仮想サーバー名を使って接続します。つまり、2 台のサーバーで一つの擬似的なコンピュータを構成していることになります。

また、各ノードは他のノードが動作しているかをハートビートという内部通信を使って確認しています。

 

利点

  1. Availability(可用性)
    クライアントから見たときに、サーバーが常に動作している割合を可用性といいます。クラスタではフェールオーバーを行うことにより、ダウンタイムをできるだけ短くします。
     

  2. Scalability(拡張性) 
    クラスタではハードウェアの性能の拡張を簡単に行えます。負荷の高いコンピュータに、新しいコンピュータを追加して、集中していた負荷を分散することが可能になります。
     

  3. 容易な管理 
    専用の管理ツールを使用することにより、管理を簡単に行えます。
     

  4. ハードウェアのサポート
    Windows 2000 のクラスタは異なるハードウェア構成でも動作が可能です。専用のハードウェアは必要ありません。対応しているハードウェアは HCL を参照してください。

  5. クラスタ API
    クラスタリソースを作成する API が提供されており、クラスタ対応のアプリケーションの作成が可能です。
     

  6. ダウンタイム無しでコンポーネントの追加可能
    ダウンタイム無しに、ハードウェア/ソフトウェアメンテナンスや、アプリケーションのアップグレードが可能です。
     

  7. 低コスト
    ハードウェアクラスタに比べて、低コストでクラスタ構成が可能です。
     

  8. 標準プロトコル(TCP/IP)
    クラスタとの通信は標準的な TCP/IP を使用しています。

Fault Tolerance 99.99% 〜 100% の可用性。宇宙飛行・航空管理・高度医療。高コスト。
High Availability 99% 以上の可用性。多くのビジネスアプリケーションで使用。低コスト。

 

用語

クラスタでよく使う用語です。

 

クラスタ導入モデル

クラスタ導入モデルには、シェアードデバイスモデルとシェアードナッシングモデルの 2 種類があります。

 

シェアードデバイスモデル

シェアードナッシングモデル

 

 

キャパシティプランニング(Capacity Planning)

クラスタをどのような構成で、どれくらいのパフォーマンスを持つコンピュータを用意すれば良いかなど、現状を把握して、将来性を考慮して検討します。クラスタ構成モデルは大きく 5 つに分かれます。

Model1

Model2

Model3

 

ライセンス(License)

サーバーライセンスは、ノードごとに必要です。CAL はクラスタには関係ないので、それぞれのサーバーにアクセスする分必要になります。

アプリケーションのソフトウェアライセンスは、ノード毎に必要なので、2 台でクラスタを構成しているときは、2 つ必要になります。ただし、SQL Server 2000 アクティブ/パッシブ構成(常にどちらか一台で動作)の時は、1 ライセンスでよいように変更されました。

Microsoft Cluster Server に関する FAQ - ソフトウェア ライセンス

ライセンス SQL Server - Q. SQL Server 2000をクラスタ環境で使用する場合、どの製品を購入すれば良いですか?